会計士残酷物語
競馬シリーズの1977年の第16作。 会計士と言えば、地味で退屈な職業で、とても冒険小説の主役にふさわしいとは思えない。それがフランシスの手にかかると、危険に満ちたスリリングな職業となってしまうから不思議だ。主人公ローランドは、プロの会計士でアマチュアの騎手。脱税の手伝いをことわって恨まれる程度なら日常茶飯事だが、なぜか何度も拉致監禁の憂き目に会わされる。まさに"会計士残酷物語"。本書には、ヒラリイ・ピンロックという校長先生が登場する。第1回目の監禁から脱出して追われるローランドをかくまってくれる。失敬な言い方をすればオールドミスなのだが、これが実に素敵なおばさん。文句なしに、本シリーズで最高に魅力的なヒロインである。テキパキした言動、さっぱりした女性で、女々しさはカケラもないが、優しさとユーモアを持ち合わせている。歳を取ったらこういう人になりたい、と思わせる女性である。本書の魅力はひとえにピンロック先生にある、と言っても過言ではないだろう。
早川書房
転倒 (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 12-14)) 試走 (ハヤカワ・ミステリ文庫 フ 1-17 競馬シリーズ) 追込 (ハヤカワ・ミステリ文庫 フ 1-15 競馬シリーズ) 暴走 (ハヤカワ・ミステリ文庫 フ 1-13 競馬シリーズ) 混戦 (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 12-10))
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